強くならなくてもいいんだよ。
新しい部屋に移動して、いよいよ新シーズンが始まろうとしていることを再認識する。
シーズンが始まることを考えるだけで、左腕の時計の心拍数は上がっていく。
高揚感、武者震い、不安、緊張感...
いろんな思いがあり、まとまらずごちゃごちゃしている。
整理はつかない。むしろつけない方がいいと思っている。
最近、自分の甘さを痛感する。自分って弱い人間だなって思う。
楽な方へ、楽しい方へと向かって行ってしまう。
やろうと決めていた事もいつの間にかできなくなっている。
でもこの時期に再確認できてよかったと、ポジティブに捉えている。
しかも、私は弱い自分を、きついことから逃げようとする自分を奮い立たせる方法を既に知っている。
その方法は、家族・友人、お世話になった人たちの顔を思い浮かべる事。
どんなにきつくても、その人たちをイメージすれば力が出る。というか、やらなきゃいけないという衝動に駆られる。
幸いにも、私は誰かのために頑張ろうと思う、「誰か」の数が多く、それぞれ強くイメージすることができる。
強くなることに越したことはないけど、そう簡単なことじゃない。
だから別に強くなる必要はないんじゃないかな。
自分の弱さを知り、認め、それを克服する方法を作る。
強くなるんじゃなくて、弱さが出た時の対処法を作っておく、知っておく。
そうやって壁を超えていく。
克服できなかった時の後悔、やるせない気持ちを忘れない事。それが一番大事。
同部屋の友人が眠りにつき、静かに自分を見つめる。
プライドの高い自分にとって、弱さは見せたくないし、かっこ悪いものだと思っている。
でも、きっと弱さを見せられるのは強さだと思う。
逆にかっこよく思えてきた。
だからって、もう弱さは見せないよ。
さあシーズン開始まで、冬休みに貯めておいた「誰か」の残像をフル活用して、前へ進め。